魔王最終話

出来ればすぐに書きたかったけど、今週は土曜の夜勤があったし、コードブルーみたいにスッキリする結末ではなかったので書くのが難しかったり、結末を見終えた事でドッと力が抜けてしまいました。
んー、分かってはいたけどやっぱり切ない結末でしたね。魔王前半では完璧に復讐を遂行する魔王であった友雄だったけど、中盤以降は罪の意識としおりに対しての感情に迷い、後半は同じく家族、友人を失った復讐心と罪の意識に悩む直人を直視する事が出来ないくらい友雄自身もボロボロでした。
そんな2人の最後の対峙。やはり友雄の復讐の結末は自分を直人に殺させる事。何となく予想は出来た。
ただ、復讐よりも自分自身を許せないという気持ちが強くなっていた友雄。最後の対峙は友雄、直人共に同じ目をして互いに自分を見ているようでした。全て自分のせいでだと言い友雄を殺す事など出来ないという直人に対して、友雄は自ら死を選ぼうとするもそれを止めようとして直人が死んでしまった。自分の事を許して欲しい、そして友雄自身の事も許してくださいと友雄に伝え息絶えた直人に対して、死ぬな芹沢と涙を流す友雄が印象的でした。そして、友雄自身も山野を止めようとして刺されていた為に死んでしまいました。直人に寄添い、自分の事を許して欲しい、そしてあなたの事も許してくださいと・・・
最後は、お互いの気持ちを分かりあり互いを許しあった事で2人は救われたと思う。でも、結末は切な過ぎるものでした。出来る事なら、2人とも生きて救われる話であって欲しかったとは思いますけどね。2人とも生き続けるにはあまりにも辛い境遇でしたけど…
ドラマを見てる側からしたら、最後はしおり的な視点だと思うんですけど、立場的にしおりの悲しみって大きかったと思います。それから3年後?だったかに飛びましたけど、しおりがハーモニカに何を見たのか気になりますねー
あと、山野。やっぱり奴は暴走しましたね。
結局、魔王というドラマで悪役を背負ったのが山野だったと思います。冷徹な復讐鬼であるはずの友雄が始めて迷いを見せたのがソラが母親の事で悲しんで姿を見た時、そこからしおりに対して、最終的には直人に対しても迷うようになり、苦しむ友雄の姿は悪とは程遠い物でした。
ちょうど、ソラの所から山野が登場し、そこから復讐を楽しむような山野の姿が描かれる訳でしたが、友雄が悪になれない分を山野が悪として印象を残しましたね。
真実を捻じ曲げた悪という印象だった直人の親父が父親としての顔を見せ、友雄にも謝罪した事で余計に山野が悪として印象強くなりました。
最終的には、英雄の復讐ではなく自分を苛めた直人達に自分自身の復讐をする為に、止めようとした友雄を刺し、葛西を殺し、自らも警察に射殺されるという結末。元々は、苛められてた山野を助けようとして死んでしまったのが英雄であり、山野には何も罪はなかったというか山野こそ被害者だったなんだけど、なんとも皮肉な話ですね。
そもそも、この魔王って全部が皮肉な話なんですよね。それこそ優しい心を持った友雄が真実を知らずに復讐の為だけに生きる魔王になる事がそうだし、直人の兄貴だって心優しい兄であり部下、妻に裏切れた被害者であるけど復讐に走ってしまい最後は自ら命を絶ったり。
そういう感じで、後半は毎回切なかったです。
話全体としては、前半は復讐というプロセスを細かく描きながら、直人の苦しみと過去を少しずつ明かして行くという展開、中盤はしおりと友雄を多めに描き、友雄の変化を見えて行く展開。後半は友雄の正体が明らかになり友雄の苦しみと芹沢家とそこに関わる友人達に対する復讐、そんな感じの展開でした。
んー、ちょっと後半の死ぬペースが早すぎだった感じ。その分、池畑の死までが長すぎだったように思いました。まぁ、池畑は過去を解く役割があったし、後半は復讐そのものよりも友雄の感情的な部分中心であり、直人の親父、兄貴夫婦、葛西この辺りの感情的な部分だったからなんでしょうけど、最終話で兄貴、親父とバタバタ死んでしまう辺りはちょっと簡単すぎる感はありました。
まぁ、見終わってみての感想はこんな感じですね。話としては面白くてコードブルーと甲乙付け難いけど、やっぱりハッピーエンドの方が好きだなーと思いました。